週末はオスロブでジンベエザメと記念撮影したり、離島でのんびりしたり。充実した休みを過ごすことができました。
月曜日。学校サボって一人で自由観光
明けて月曜日。この日は一人でフィリピンをのんびり満喫したいと思い、学校を休みにしてブラブラ出かけてみることにしました。行ったことの無い場所に行きたかったので、セブで一番大きい「SM City Cebu」というショッピングモールに寄ってお昼を食べてから、近くの海に行くつもりでした。
宿泊先のドミトリーを出て、天気のいい中のんびりと30分ほど歩いてSM City Cebuに到着。ものすごい広い。たくさんあるレストランをキョロキョロ見ていると、とある40代の女性が近づいてきました。20代前半の男性も一緒です。
先に登場する人物を整理します。
(ちなみにこれは「トランプ詐欺」というもので。フィリピンでたまに日本人が被害に遭っている有名な詐欺です。検索すればいくつか出てきます。先に知っていれば…今後フィリピンに行く人は気を付けてください。)
キム・・・40代女性。日本語を少し話す。妹が来月から日本に留学する。
ジョン(仮)・・・20代前半男性。ほとんど会話しなかった。
サイモン・・・キムの親戚。カジノでディーラーの仕事をしている。
Mr.チン・・・モルディブの富豪。カジノの常連。
(この登場人物だけでなんだか変な予感が。)
(以下、会話を抜粋しますが、実際にはもっと色々話してます。)
お昼ごろ。ショッピングモールで40代女性と雑談。
近くにあったマクドナルドのようなファーストフード店の椅子に座り20分ほど雑談をしました。日本語をたまに話してくれるので、なんだか親近感を持ってしまうんですよね。こうときは。そして、こんなやりとりがありました。
「あなたはどこに住んでるの?」
「日本の東京に近いところです。」
「本当?私の妹が今度、東京の大学に留学するのよ!」
「そうなんですか?」
「ええ、でも日本に友達がいないので、もしよかったら、東京で会うことがあったら仲良くしてくれない?」
「ん。ええ、別に構いませんよ。」
(こうして書いていて情けなくなってきますが、書き続けます。)
「それじゃ、これから我が家に来ない?妹がちょうど昼食の準備をしてるの」
「まあ、いいっすよ。」
「それでは行きましょ!」
ということで、タクシー乗り場に連れて行かれて3人で家に向かいました。
「大きいお金しか持ってないの、ごめんね。払ってくれる?」
ということで、タクシー代はなぜか自分持ち。
すでに見知らぬ土地の家。スラムとまではいかないけど、完全に現地人しかいないエリア。珍しくて家の門などを写真撮影しようとすると。
「ごめんね。写真はやめて。」
とのこと。なんでかわからなかったけどやめることに。
カジノでディーラーをしているという「サイモン」が登場
中に入ると40代の男性が自己紹介をしてきました。
「はじめました。私はカジノでディーラーをしています。」
「あ、どうも。」
「きみはポーカーゲームとか知ってるかい?」
「いやー、あんまり」
「じゃあお昼食べた後に教えてあげるよ。」
うん、興味無いけど、まあいいや。
「ちなみに、今日は嫁が出産しそうでキムの妹と一緒に病院に行ってるんだ。」
「え、そうなんですか。」
「まあ、キムの妹はもうすぐ帰ってくると思うからちょっと待っててよ。」
「わかりました。」
今思うと、外国人の友達ができるかもしれないことに期待してしまっていたのかもしれません。結局フィジーではフィジー時の知り合いはできなかったし。
その後、キムと2人で昼食をとることに。
記念に食べ物を撮影しようとすると
「写真はダメ」
「なんでですか?」
「家族の誰かが出産で入院しているときに家の中で写真をとるのはフィリピンの伝統でよくないこととされているの。」
「???」
よく分からない英語で、そんな感じのことを説明されました。よく分からなかったけど、嫌がるので撮影はやめました。
昼食後。ポーカーの説明から気づいたら深みにハマる。
昼食後、別室に行き(興味無いけど)ポーカー(と言いつつ、ブラックジャック)の説明。最初は普通に説明を受けるだけでした。親と子が戦うゲーム。ディーラーはカードを配ったりします。説明を聞いていたら、途中からおかしな方向へ。
「このゲームはね。ディーラとチームを組めば君は絶対に勝てるんだよ。」
「??」
「ほら、こうやってサインを出せば、次に君が手に入れるカードが分かるし、こんなサインを出せば相手の数字も分かる。これで絶対に勝てる。」
「はあ。」
「例えばこのサイン、覚えられるかな」
「いや、まあ。」
なぜかイカサマ講座に。
そして昨日の出来事を話し出すサイモン。
「昨日はカジノの仕事で4人の富豪をおもてなしたんだ。その中の一人、ブルネイ人のMr.チンという人物がいてね。」
「はいはい。」
「彼らは麻雀をやっていてね。ぼくはMr.チンの儲けの一部をもらうはずだったんだ。だけど、彼は大勝ちしたのにぼくにほとんど分け前をくれなかったんだ!本当に悔しいよ!」
「そうですか。」
「実はこれからMr.チンがここに来るんだ。一緒に協力してやつから金を取り返そう!もちろん、僕と君が組んでいることは内緒だ!」
え。勝負?そんなつもり全然無いんだけど。
Mr.チン到着。ブラックジャックスタート。
(もうこんな状況になる前に脱出すればよかったのですが、あれよあれよと進む展開に対してちゃんと思考できておらず、流されるまま進んで行く。今こうして書いていてもツッコミどころが多すぎる。)
サイモンがMr.チンを招き入れる。
「やあMr.チン。昨日は大勝ちしたね。」
「ああ、昨日はだいぶ勝たせてもらったね。」
「今日はここでちょっと5分だけでいいのでブラックジャックはどうでしょうか?」
「んー、麻雀がいいけどね。まあいいか。時間もそんなに無いし。」
「おっけー。やりましょう。この日本人には英語のサポート役としてこの女性(キムのこと)がつきます。彼女は日本人の英語学校の先生です。(もちろん嘘)」
ということでスタート。
この時点で、まともな思考はできていなかったです。
自分の心臓の鼓動が少し聞こえる。
(やばい。なんだこれ。なんで俺ここにいるんだ。)
どんどん進むゲーム。順調に勝ち続ける。
最後のゲーム。Mr.チンが大金を賭けてきた。
ディーラーと組んで、相手のカードの中身は分かっている。(カードの合計は20)
自分のカードは絶対に勝てる数を示している。(カードの合計は21)
これをオープンするだけで相手の大金がこちらに入ってくる。
しかし、手持ちの現金が無い。
Mr.チン「現金が無いのであればカードはオープンできないね。現金が無いのはフェアでは無い。」
サイモン「わかった。これからお金を集めるんだ。いいな。Mr.アキオ。よしゲームは一旦中断だ。2人の手持ちのカードは私が責任を持って回収します。封筒に入れて変更ができないようにします。」
Mr.チンが部屋を出て行き、サイモンが話しかけてくる。
サイモン「いいか、僕も全力を出してお金を集める。嫁が入院している病院に払う予定だったお金や、仕事場のボスからかき集めてくる。君も集めるんだ!」
キム「行きましょ!絶対にこのゲームは勝つのよ!」
これはやばいことに巻き込まれた。お金だけで済むならそれで諦めよう。命だけはなんとか守ろう。という気持ちで言われるがままに行動。
一旦ゲーム中断。ATMでお金を引き出される。
近くのショッピングモールにタクシーで連れて行かれる。
キムとジョンが同行。
移動してATMへ。(幸運にも)1日の引き出し限度額が設定されていて、全額は引き出せず。それでは足りないということで、携帯ショップに連れて行かれ、スマートフォンをカードで購入。
なんだこれ、もうダメだ。
普通の思考状態であればこの時点で逃げ出せるはずが、彼らの言っていることをほんの少しだけ信じたい気持ちがあると同時に、テンパってて何もできず。
ここまで人間は操り人形になれるのか。恐ろしい。
帰宅後。お金が足りず、ゲームは翌日に持ち越し。
家に戻るとすでにサイモンが帰宅していて
サイモン「なんとかこれだけお金を集めてきた。お前はどうだ?」
見せるも足りない状況。
サイモン「そうか。。。とりあえず、これでやってみよう。一旦、このお金はお前が全部入手してきたものということにするんだ。ほら、持ってろ。」
Mr.チンが戻ってきてゲーム再開。
こちらのお金を見せるも、足りていないということでカードオープンを拒否。明日にゲームを持ち越すことに。Mr.チンが帰っていく。
サイモン「どうしたらいい。この状況!?お金が必要だ。何かいいアイディア無いか?明日までに残りのお金を集めてきてくれ!」
「わ…わかった。」
サイモン「俺は、さらに友人のところに行ってお金を集めてくる。お互いがんばろう!」
このとき、なぜかiPhoneは取られてしまいました。お金も預かるとのこと。返してくれと言ってもダメ。相手は3人いるし、もうダメだな。
相手から安くて小さな携帯電話を渡される。
サイモン「これで連絡を取り合おう。明日までにお互いの状況を伝え合うんだ。」
キム「連絡先を教えるわ。メールアドレスも。明日、全力を尽くしましょう。」
キムとジョンに連れられタクシーに乗って移動。とあるお店で携帯のチャージをさせられ、そこで解散。
キム「これから妹の病院に行かないといけないの。このままタクシーで帰って。」
タクシーの中でほとんど何も考えられず、呆然としながら窓から景色を見ながら帰りました。
翌日、警察に行くことになります。