以前読んだ、以下の本を再読してみました。
会社辞める決意をする前に読んだ本のうちの一つです。
著者は大学卒業後に会社に就職しますが、体調不良で会社を辞め、それからは「ナリワイ」と呼ばれるような、小さなビジネスを複数やりながら生活しています。
現代の働き方はどこかおかしい
現代社会に生きる私たちは、生活を自給する能力がかなり衰えている。何も考えずに暮らしていると、たいしたことをしてなくても支出が高い。だから、稼ぐのを一休みして、立ち止まる余裕がない。考える余裕がないから、妙な住宅ローンを組んだり、目先の運転資金のために不利な仕事も請け負ってしまう。
これでは、人生を盗まれている。
本書の冒頭では、会社に勤めて働くことのおかしさについて書かれています。大正9年の国勢調査では約35,000種の職業があったのに、現在は2,167職種しかない。職業の多様性はどんどん無くなってきている。「ニート」が問題になるのも、そうした職種の急激な減少に適応できない人が顕在化しただけ。おかしい。
そんな世の中で、生き残っていくための手段として「ナリワイ」を勧めています。「ナリワイ」は、自分の生活を良くしていく中で生まれていくちょっとした仕事を複数育てて、それで自営でやっていきましょうということです。
ソルジャータイプではない自分には、本書の考えるような「ナリワイ」に近いものが向いているように感じました。
「仕事は会社でするもの」という常識をまず捨てる必要があると思いました。
支出を抑えることから始める
じゃあ、いきなり「ナリワイをつくろう」、といきたいところだが、ナリワイで収入を産み出す前に、もっと簡単なことがある。支出を減らすことだ。
ナリワイに取り組む者がまずやるべきことは、つまらない支出を見つけ出し、自分でもこりゃ面白いと思える方法でカットすることだ。さらにすごいのは、その技が優れていれば、それを他人にも提供して、即それがナリワイの一つになる。一石二鳥である。
確かにいきなり「ナリワイ」を作るのはハードルが高いと感じます。しかし、支出を減らすことなら簡単そうです。例えば、「つまらない飲み会には行かない」「外食はしない」ようになると支出が減ります。そして「自分で料理を作る」ことになり、料理の腕が上がる。そのうち料理を提供できるようになると「ナリワイ」の一つになる、という原理です。
しかし「いやいや、料理の学校や仕事も経験したことないのにそんなの無理じゃ。。。」と感じてしまうかもしれません。
しかしそれに対して
専門家にビビるな
例えばパン屋さんを例にとってみる。パンを焼く技術というのは高度な職人技術のように思われているが、元々お米を炊くような人間の生活のうえで基礎的な技術である。このような技術は、少し時間をかければ誰でも習得可能なものであるはずだ。
専門家という既得権益者の前にひるんじゃいけない。
と述べています。世の中にある仕事は、ものすごい特訓を何年も重ねてようやくお金になるもの、という感覚を持ってしまっていますが、そんなことはありません。そりゃ、達人レベルになるのは難しいでしょうけど、大儲けするのでなければ料理を作ってお金をもらって提供するということは、少し時間をかければものになるはずです。
「専門家にはかなわない。。。」などと、ひるまずに、何かの分野でいつかはチャレンジできたらいいなと思っています。
会社辞めるのは感覚で決めていい
会社を辞めるのがリスク、というのも確かだが、一方で会社に居続けることで何か他のことにチャレンジできるチャンスを失っている、という見えないリスクもあったりする。もっとも会社を辞める、という行動は、会社に所属しているうちはどんなに論理的に考えても難しい場合が多い。
こういうときには、なにで決まるか。「嫌か嫌じゃないか」、そんなもんで決まる。それが認識できたときに、はじめて実行力が発揮される。つまり、「あ、これは嫌だな」と思ったとき、常識やしがらみの妨害を受けずに、「じゃあ、こうしよう」と行動に反映させられるかどうか。人間が動くのはこういうときがほとんどではないかと思う。
ここに書かれている通り、会社を辞めるメリットやデメリットを論理的に考えても、なかなか行動に移せませんでした。しかし、今は「嫌か嫌じゃないか」ということを基準に色々なことを判断するようになりました。ビジネスで常識となっている「論理的に行動を決める」ということに慣れすぎて、自分の感情を大切にして物事を決められなくなって、自分を苦しめていました。
論理的に考えることが必要な場合もあります。人に説明する場合などは特に。しかし、自分の感情を信じてどんどん動いていく、という姿勢で今後はやっていきたいと思いました。この姿勢がなければ、会社も辞められなかったでしょう。
おわり
この本も会社を辞めたいと感じている人にオススメの本です。上記以外にも、著者がナリワイを複数作ってきた経緯などが書かれているので、自分が実際にそのステップに近づいてきたら、参考までに読み返してみたいと思います。