本を読みました。
会社を辞めたいと思い始めたころに読んだ本のひとつです。再読してみました。
仕事に対する疑問が最高潮だったときにAmazonで仕事をキーワードに検索していて見つかりました。働いて働いて、成長を求められ、自由がなく、お金は得られるけど、どんどん使ってしまう。ラットレースのような状況。そんなことを感じるようになっていた自分にはとても参考になる内容でした。
会社を辞めたくても辞められない
著者の渡邉格さんは30歳で大学を卒業し、食品関連企業で食品偽造の現場に遭遇し、パン屋で激しく働かされ、最終的には田舎に自分の理念を実現するパン屋を立ち上げます。
著者と自分を少し重ね合わせてしまいました。会社を辞める前の状況をこんな風に書いています。
P.15
ひたすら耐えて働いて、身体を壊すなんてバカバカしい。そんなことは分かっている。でも、辞めたあとに何をすればいいかが分からない。資本の論理に組み込まれてしまっているこの世界の「外」に出たい。でも、出口が分からない。それで僕は、会社を辞めたくても辞められずにいたのだった。(一部省略・修正あり)
まさにそうでした。僕も会社を辞めたいけど、辞めた後にどうしたらいいか分からなかったです。最近では色々な本を読んだり人と会う中で、漠然と「なんとかなりそう」という思いがあって決意できましたけど、本書を最初に読んだときは上記にかなり共感しました。
利益重視の資本主義のシステムの中では食品偽装などの不正はどうしても起こってしまい、パン屋のような猛烈な労働も避けられない。僕の場合はIT企業ですけど、猛烈に働くことになってしまうメカニズムが少し分かりました。
会社から抜け出すためには「生産手段」が必要
では、今の過激に働かされる状況から抜け出して「外」の世界に出るためにはどうしたらよいか。自分が正しいと思える働き方で、自分の信念に沿った価値を世の中に提供するためにはどうしたらいいか?
そのためには「生産手段」を持つことだと本書では述べられています。
P.46
労働者が、自前の「生産手段」をもっていたら、自分で「商品」をつくって売ることができる。それをもっていないから、労働者は、自分の「労働力」を売るしかない。そしてこき使われるのだ。
現時点では会社に「労働力」を提供して給料を得ている立場なので、会社依存から脱却できません。少し時間がかかったとしても、「生産手段」を手に入れたいと思いました。
韓国でも評判になっていました
最近の著者のパン屋がどうなっているか、ネット検索したら以下のような記事が見つかりました。日本以上に厳しい競争社会にさらされている韓国社会で受け入れられている考えのようです。
どうにか自前の「生産手段」を持ちたい。そこに向けて少しずつ前進できればと思っています。働くことに対して悩んでいる方にオススメです。会社を辞める勇気をもらえます。こうした本を読んで、会社を辞める決意を固めることができました。